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学習指導要領からおうち英語のヒントを得ることができる!【子どもの英語にどう向き合うか】【英語教育の危機】本 レビュー

2022年12月29日

こんにちは!ももです。

おうち英語をゆるゆると行っている我が家ですが、今回は、【子どもの英語にどう向き合うか】【英語教育の危機】の本を読んで、おうち英語について考えてみました。

この本を読もうと思ったきっかけは、著者である鳥飼 玖美子さんが好きで、以前から読んでみたいと思っていたから。

鳥飼 玖美子さんは、私が定期的に見ている英語のテレビ番組に出演されており、分かりやすい解説と人柄がとても素敵だなぁと思っていて、鳥飼さんの英語教育に関する考え方を知りたいと思っていました。

早速、本を読んでいきます!

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【子どもの英語にどう向き合うか】

本の内容

以前まで、「英語活動」として取り入れられていたものが、2020年から、小学校でも英語が教科として、成績評価のされるものとなりました。

幼稚園や保育園でも英語活動が取り入れられるようになり、幼少期から習い事として、「英語」を学んでいる子どもたちも増えています。

そんな中、子どもの英語教育どうしたらいいの?と悩む方に、新学習指導要綱や発達心理学など、さまざまな観点から、ヒントをくれるのが、この本です。

 

2020年からの学習指導要領の内容

2020年以前、5・6年生で行っていた「英語活動」を3・4年生におろし、5・6年生では初めて「英語」が「教科」となり、成績評価も入ります。

「英語活動」では、文字を教えないことを前提に、歌ったり踊ったりゲームをして、英語に親しむのが「英語活動」でしたが、5・6年生では、聞いて話すだけでなく、読むこと書くことも勉強するようになります。

「外国語によるコミュニケーションにおける味方・考え方を働かせ、外国語による聞くこと、話すことの言語活動を通して、コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を育成することを目指す」とされています。

 
簡単に言うと、ことばの「素地」を養って、英語の「基礎」を学ぶということのようです。
 
 

具体的には…

①英語を通して、言語や文化について体験的に理解を深め、日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむことを目指す

②身近で簡単な事柄について、外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う素地を養う

③外国語を通して、言語やその背景にある文化に対する理解を深め、相手に配慮しながら、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う

 
 
これは、小学校の学習指導要領に基づいた目標ですが、実は、中学校の学習指導要領も、同じような文章で、どこがどう違うのか分からないくらい、似た内容になっています。
つまり、小学校も中学校も学習指導要領の文章上は、同等のレベルを求められていることになります。
となると、小学生にとっては、高度なレベルを求められることになります。
具体的には、単語の習得数は600~700程で、単文、肯定文、否定文、疑問文、代名詞、動名詞、過去形も教えられることになっており、「主語+be動詞+補語」「主語+動詞+目的語」などの文構造も学ぶことになっています。
「音声」についても、英語という外国語を学ぶ以上、発音やイントネーションなどを指導されることになりますが、
これまでの教職課程において音声学が必修とされていないので、中高の英語教員でさえ、発音を教えられない現状の中、小学校で誰がどのように教えるのかという懸念もあります。

早くから英語を習うべき?

発達心理学からみる英語学習

小学校の学習指導要領を知ってしまうと、こんなレベルを求められるなら、「英語塾に行かせなきゃ」と焦りたくもなりますが、発達心理学から見てみると、そうともいえないようです。

発達心理学の第一人者である内田 伸子さんが行ったある調査を行いました。

幼児期・児童期に英会話塾に通ったことのある生徒と、帰国子女の「英語既習者」グループと、幼児期・児童期に英語を習ったことのない「英語未習者」グループの両方に、中学一年生の終わり頃に英語学力テストを受けてもらい比較すると

                  🔽🔽

2つのグループに全く差がありませんでした。

その後の追跡調査を行ったところ、自宅での学習習慣がない子どもは、学年が上がるほど、英語以外の科目も成績が低下していったそうです。

この他にも、さまざまな調査結果がこの本に載っているのですが、結論として、早くから、英語を勉強すれば、その後の英語の成績がよくなるかというと、そうともいえないようです。

幼児期に大切なこと

・母語の獲得が何よりも重要である

・親子のふれあいを大切に、子どもと楽しい経験を共有する「共有型しつけ」が将来の学力に影響する

・子どもの主体性を大事にする大人の関わり方が子どもを伸ばす

・やればできるという「自己効力感」が外国語学習の成否に大きく関わる

 

小学校の教育現場に問題が山積みの中、見切り発車で始められた英語教育。

それに惑わされて、我が子に早く英語を習わせなきゃ!と焦る必要はないようです。

子どもの英語力はとても小さな問題で、それよりも自立性や主体性を育てることが、これから予測不可能な未来を生きていく子どもの人生にとって、重要だと著者はまとめています。

【英語教育の危機】

本の内容

【子どもの英語にどう向き合うか】が小学校以前の英語教育に関して述べている本であるのに対し、【英語教育の危機】は、中学校以降の英語教育についてまとめられています。

 

 

全体として、英語教育についての現状批判や問題提起となっています。

英語教育の現状・方向性・問題点

英語教育の方向性と問題点

①「読む」「書く」に加え、「話せるようになる」ための英語教育の促進 「やり取り」の追加

→「やり取り」を物理的に測定するのは難しい
 「やり取り」に比重を置きすぎて、読み書きの力が衰えている

②中学校・高校にて「英語は英語で」教えるという指導方法の導入

→英語での授業は、内容が浅薄になりがち。知的好奇心が育つのか?
 教員養成が難しい

③小学校英語の導入

→見切り発車のため、教員確保の問題

小学生に高度な目標を設定している

④民間英語試験の導入

→それぞれの試験内容が学校教育の内容に合っていない

検定料の負担・経済格差により試験対策に差が出る

⑤習得すべき語彙数の増加 高校卒業時点で、3000語→5000語程度へ

→暗記の強要から「学ぶ意欲」を喚起し、継続できるのか

 小学校から暗記科目になってしまうのでは?

2020年から、上記に沿った新学習指導要綱が施行されています。

 
 

日本人が英語を話せないのは、学校教育が悪いからだ

 

という批判をよく耳にします。

確かに、 自分たちが受けてきた英語教育を思い起こしてみても、英語の勉強は一通りしているけれど、しゃべれるようになっていないのは事実です。

1970年代以降、英語教育が改革され続けてきたけれど、なかなか成果が出ていないのが現状のようです。

近年も、「コミュニケーション」「やり取り」を重視した英語教育を強行しているにもかかわらず、大きな成果は聞こえてきません。

政府目標としては、中学校卒業段階で、英検3級程度以上、高校卒業段階で、英検準2級程度以上を目指しています。

 

現状としては、英検準2級に達している高校三年生は、2016年現在で、全体の36%だそうです。

2016年以降は英検の合格率は発表されていませんが、試験の難易度は一定に保たれているため現在も大きな違いはないと推測されます。

英語学習が「読み」「書く」から「コミュニケーション」「やり取り」へシフトされ、「コミュニケーション」「やり取り」の学習時間が増えても、授業では、型にはまった「やり取り」の練習がなされ、それが、実際予測不可能な会話の中でどれほど役に立つのかと疑問があります。

そういった中、「日本人は、読み書きはできても話せない」というのは一昔前のことで、現在は「読み書き」さえも衰えているようです。

実際、文法などを学ぶ時間が減っているが、著者は 文法はコミュニケーションを支えるものであり重要だと警鐘をならしています。

そもそも「コミュニケーションに使える英語」とは、何なのでしょうか?

いろいろな価値観や背景をもつ人々による集団において、相互関係を深め、

共感しながら、人間関係やチームワークを形成し、

正解のない課題や経験したことのない問題について、

対話をして情報を共有し、 自ら深く考え、相互に考えを伝え、

深め合いつつ、合意形成・課題解決する能力

文部科学省の有識者会議の報告より

何やらそれらしき言葉が並び、全てを網羅したかのような文章だけれど、これができている大人がどれほどいるのか?

難しくない?と思ってしまう内容です。

異文化コミュニケーションとは 相互理解 のことであり、異質性や多様性への寛容な態度とも言えますが、英語に限定されたものではないようにも思います。

そんな中、相互理解に関する著者の考え方がとてもヒントになり、心に残りました。

自分の文化的規範から乖離している言動に接した際に、「あれは一体何?」「何であんなことをするのか分からない」という思いを「違うけど、何か理由があるのかもしれない」と一歩引いて眺める余裕を持つことである。

なんだかよく分からず、はっきりしない部分を許し、寛容になることで、接触を閉じてしまわず、「どういうことなんだろう」と知りたがる好奇心に転換する。

そして落ち着いて観察し、思い切って相手に聞いてみると、「なーんだ、そういうことか」「そういう風に考える文化もあるんだ」と発見することにつながる。

英語を通したコミュニケーションに限らず、こういった異文化に対する考え方を育てることが、何よりも重要のように思います。

また、複言語主義及びその言語教育哲学を具体化したCEFRでは、「言語は生涯をかけて学ぶもの」という前提に立ち、学習者の自立性が問われる、また自立した学習者を育てることが教師の役割であるとしています。

言語を学ぶことは、その場しのぎでなく一生続いていくものであり、その学習への探求心を育てることが、外国語教育の目的なのではなかという結論にたどり着きました。

最後に著者の考えをあらわした文章を紹介。

ことばを育てることは、

こころを育てることである

人を育てることである

大村 はま

「ことばを教えること」は、日本語や外国語や手話言語も同じで、単に単語や会話表現を教えることだけでなく、「こころを育て、人を育てる」教育であってほしいとうのでが、著者のメッセージでした。

まとめ

おうち英語を実践する中で、【子どもの英語にどう向き合うか】【英語教育の危機】2冊は、大きな指針ともなる良書でした。

英語教育の現実を、日本で英語教育の始まった江戸時代に遡り、さまざまな時代を経て、英語教育がどのような変遷を経てきたのかが、とても分かりやすくまとめられており、歴史を紐解きながら、今後の日本の英語教育の課題・問題点をありのままに鋭くついている本でした。

日本の英語教育について知りたい方・おうち英語の方向性に悩んでいる方は、ぜひ読んでみることをおすすめします!

英語教育を超えて、子育てのヒントも見つかりますよ。

お読みいただき、ありがとうございます。

  \おうち英語実践中/

 

 

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